気功法は中国で伝統的に行われてきた健康法ですが、現代になってようやく科学的に研究が始められ、その効果がひろく認められるようになってきました。
気功を行うことによって、中枢神経が調節され全身の抵抗能力や適応能力が強められ、また、全身の機能が促進されるために、さまざまな病気にも効果が出てきます。人間が本来持っている身体機能を気功法によって活発にすることができるのです。

◆【1】【気】とは何か◆

気とは、中国医学や中国哲学で用いられる概念で、目には見えないごく微細な物質の一種だと考えられています。この気によって生命や物質が成り立ち、維持されています。つまり万物に必要不可欠な動的エネルギーを気と呼んでいます。身体の気は全身の経絡(気の通る道)を通って、たえず流動しています。

◆【2】【気功法】とは

気は生命力の源、功は鍛錬を意味しています。体内の気は、それがうまく循環してれば健康を保つことができますし、停滞していれば体に悪い影響を与えます。気をコントロールすることで心や体の安定を得たり、病気の予防、健康の維持・増進をはかる健康法が気功法です。

◆【3】【気功の種類】

気功法には多くの流派が有り、その数は2000種以上だと言われています。また分類の仕方も伝授の経緯、目的などにより異なります。

【1】【伝授の経緯による分類】

・道教
不老長寿を目指す。老子と荘氏は「静」によって神を養い、それによって長生きすることを主張しています。

・儒教
孔子の一番弟子の顔回が儒教で最初に気功をした人と言われています。

・仏教
禅に多く伝えられているが、健身法として激しい動きを伴うものも多く見られます。

【2】【目的による分類】

・武術気功
武術の訓練として行われるもので、硬気功とも呼ばれる。

・医療保険気功
健康法としての気功。

【3】【動作による分類】

・静功
ある一定の連功姿勢をとり、呼吸法と意守活動を行い、「静」の状態で身体内の鍛錬を行う。

・動功
身体を動かして行う気功法で、一定の動作を通じて、呼吸の意守などを鍛錬する。